ウマ娘の固有二つ名の元ネタ解説

ふと書く気になったので。上の方が史実度(公式度)が高く、下の方はファンがそう呼んでる、みたいな感じ。
世代のキングとか勝利の探究者とか、言わんとすることはわかるけど聞いたことねえ、みたいなのは省いた(チケゾーだけちょっと変化球だったので説明した)。

日本の総大将(スペシャルウィーク

99年のジャパンカップで、(エルコンドルパサーを破った)凱旋門賞モンジューら外国の強豪馬を、日本のトップホースとして迎え撃った史実から。
三宅アナの「やはり日本総大将!」が印象的。

皇帝(シンボリルドルフ

名前の由来である神聖ローマ帝国の皇帝ルドルフ1世にちなんで。史上初の七冠馬という戦績はまさに「皇帝」と呼ぶにふさわしい。

名優(メジロマックイーン

名前の由来であるアメリカンの俳優スティーブ・マックイーンにちなんで。「ターフの名優」とも呼ばれ、その圧倒的な戦績に通じるところもある。

黒い刺客(ライスシャワー

ミホノブルボンの三冠やメジロマックイーン春天三連覇を阻んだそのレコードブレイカーぶりを評して。
「関東の刺客」や(菊花賞春天レコードタイムを記録したことから)「高速ステイヤー」とも呼ばれた。
ちなみに黒鹿毛だから「黒い刺客」なんだろうけど、黒鹿毛はちょっと赤褐色が入ってて真っ黒ではない(真っ黒は青毛、ほぼ黒が青鹿毛。『みどりのマキバオー』のカスケードは青鹿毛

ミスパーフェクト(ダイワスカーレット

12戦12連対(8勝)という戦績を評して。
連対とは2着までに入ることを指し、勝馬投票券の「馬連」や「枠連」の的中対象となる。
ちなみに引退まで連対し続けるのは非常に難しく、たとえばあのディープインパクトですら凱旋門賞で3着に敗れている。
ウマ娘に出ている中でこれに近い戦績はエルコンドルパサーの11戦11連対、マルゼンスキーの8戦8勝、ビワハヤヒデの15戦14連対(引退レースとなった秋天で5着に敗れた)。

女帝(エアグルーヴ

(今とは違って)牝馬が弱いとされていた90年代台当時、牡馬も出走する天皇賞・秋を制覇するなど牡馬と対等に渡り合った戦績を評して(ヒシアマゾンは「女傑」と呼ばれた)。

スーパーカーマルゼンスキー

1970年代の外車ブームと超強い外国産馬(正確には持込馬=外国で種付けして日本で生まれた場合こう呼ばれる)だったことを絡めて。当時は内国産馬が弱く、外国産馬が強い時代だった。内国産馬保護の観点から、クラシック(皐月賞日本ダービー菊花賞桜花賞オークス)を始め、外国産馬には出走できないレースが多く、マルゼンスキーはとくにその煽りを受けた1頭。
日本ダービーへの出走権が無かったことに対し、主戦ジョッキーは「大外枠でいい、この馬の能力を試させてほしい」と出走を懇願したという。

坂路の申し子(ミホノブルボン

主流血統では無いながら、栗東トレセンの坂路で厳しく鍛え上げられ名馬に上り詰めたその経歴を評して。「サイボーグ」とも呼ばれた。
ちなみに現在も美浦より栗東の方が坂路が急勾配で、それもあってか有力馬ほど栗東に所属する傾向にある(過去6年のGⅠ戦績を見てみても栗東所属が101勝、美浦所属が54勝と西高東低)。
なお美浦トレセンは大規模改修工事中で、2022年には新坂路コースが完成予定。

最強マイラータイキシャトル

マイル(※)戦では7戦7勝、ダートや不良馬場、果ては海外であっても無敗という圧倒的な戦績を誇り、歴代最強マイラー論議には必ずその名前が上がることから。
ちなみに「マイルの皇帝」と言えばニホンピロウイナー
現在も存命で、フォスターホースとして繋養されている。
※1600mのみ。ウマ娘では1500~1800mもマイル扱いになるが、競馬でマイルといえば1600mのことのみを言う(追記:ワールド・サラブレッド・ランキングではSMILE区分を用い、スプリント=1000-1300m、マイル=1301-1899m、インターミディエイト=1900-2100m、ロング2101-2700m、エクステンデッド2701m以上で区別してるとのこと。不勉強でした)。

不死鳥(グラスワンダー

圧倒的強さで2歳王者に君臨するも、骨折によって成績不振に陥り、(外国産馬ゆえに)早熟説も囁かれる中、セイウンスカイエアグルーヴら強豪馬相手に有馬記念で劇的な復活勝利を飾ったことをはじめ、強い→怪我で不振→強い→怪我で不振を繰り返したことにちなんで。

変幻自在(マヤノトップガン

有馬記念を逃げ、宝塚記念を差し、天皇賞・春を追込で勝ったその脚質不問ぶりから。正確には気難しい性格だった本馬を主戦の田原Jがその時々でうまくエスコートした結果。
なおトップガンを管理したのはキングヘイローと同じく坂口正大元調教師。

愛しき名脇役ナイスネイチャ

有馬記念3年連続3着を始めとして、複勝の的中対象である3着までに入ることが多かったことを評して。引退後、ワイド馬券(1~3着の内2頭を当てるタイプの勝馬投票券)の宣伝役に起用された。
現在も存命で、フォスターホースとして繋養されている。

異次元の逃亡者(サイレンススズカ

中距離戦で1000m通過57秒台を楽に出せる規格外の逃げ性能を、ファンがそう評した。JRAの公式ポスターなどでは「永遠の疾風」や「先頭を、どこまでも先頭を」などが使用されている。

世紀末覇王(テイエムオペラオー

世紀末である2000年に年間8戦8勝、うちGⅠ競走5勝、秋古馬三冠含むという圧倒的な戦績を残したため。「世紀末覇王」の由来はもちろん『北斗の拳』からであり、それゆえにJRA公式でこのフレーズが使われたことはない。

怪鳥(エルコンドルパサー

名前の由来である「El Cóndor Pasa=コンドルは飛んでいく」というアンデスの楽曲にちなんで。楽曲はサイモンとガーファンクルがカバーしたことで有名。

超光速のプリンセス(アグネスタキオン

名前の由来である「超高速の粒子タキオン」にちなんで。ジャングルポケットマンハッタンカフェ、あるいはクロフネなどの名馬を擁する01世代を牽引した馬で、フジキセキと並んで「幻の三冠馬」と呼ばれたりもする(トウカイテイオーを「幻の三冠馬」と呼ぶ人がいないのはなぜ?)
ちなみにダイワスカーレットの父で、SRダスカのイベントで出てきたり、イラストで見切れ登場しているのはその関係性ゆえか。

常識破りの女帝(ウオッカ

牝馬にも関わらず日本ダービーに出走し(普通はオークスに出走する)、64年ぶりの優勝馬になるという常識破りをやってのけたことを評して。
なおJRAのCMで「常識は敵だ」というキャッチコピーをつけられたのはミホノブルボン

新時代の旗手(ウイニングチケット

オグリキャップスーパークリークイナリワンが「平成三強」と呼ばれたことに対し、ウイニングチケットビワハヤヒデナリタタイシンは「新・平成の三強」と呼ばれたことにちなんで、と思われる(「新時代の旗手」というフレーズ自体はウマ娘以外で見たことがない)